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VR JMoF初コラボの舞台裏 — 極限のワンマンオペレーションと「分業」の価値

2020年10月3日、KEMO CLUBは日本最大級のケモノコンベンション「JMoF(Japan Meeting of Furries)」のバーチャル版である「VR JMoF Prologue」との初のコラボレーションイベントを開催しました。その夜の裏側で起きていた「極限のワンマンオペレーション」の話をします。

1. 限界に挑んだ「一人マルチタスク」の決意

当時、KEMO CLUBでは照明、音響、DJ、VJといった役割を複数人で分業していました。しかし、2週間後に次のイベント(Vol.6)を控えていたこともあり、スタッフの負担を考慮して、この日の裏方業務(オペレーション)はすべて主催であるSORAMIが一人で引き受ける決意をしました。

当日の本番中は、まさに「Alt + Tab」を連打し続けるバトルロワイヤル状態。当時はそれほど僕自身も機材を多く持っていなかったですし、4Kのモニターもなかったです。GPUもパワーもそれに耐えられるものではなかったんです。

ターミナルでのサーバーの監視とビットレートの制御を行いつつ、ライティングツールの操作、OBSのステータス監視、端的に言えばサブPCでの会場確認を同時にこなす極限のマルチタスクとなりました。

2. 限界から生まれた工夫:OBSでの簡易VJシステム

一人で完璧なVJとライティング演出をこなすのは物理的に無理だと事前のテストでわかりました。

そこで、OBSの機能を使ってなんとかする方法を考えました。

ウインドウキャプチャのトリミング・引き伸ばし機能を使い、単色の映像素材から特定の色情報を抽出。その色をライティングツールと同期させつつ、映像の一部を透過させることで、「ライティングの色を指定しながら、リアルタイムに映像自体にオーバーレイさせる」という軽量なVJシステムを即席で構築しました。これで、操作をほとんど増やさずに見た目のクオリティを維持できるようになりました。

また、音響面でもAbleton Liveを導入し、コンプレッサー等の処理を施すことで、VR機器上でも迫力と聴きやすさを両立した音作りを安定して行えるよう設計しました。

3. 一人で挑んだからこそ分かった「分業」の価値

2時間のイベントをノンストップで走りきり、一人でもなんとか回せることはわかりました。しかし、それ以上に強く実感したのは、普段のチームメンバーへの深い感謝でした。

ハイクオリティな宣伝素材を作るデザイナー、空間を彩るVJ、音響をリアルタイムで微調整するエンジニア、そして参加者と最前線でコミュニケーションを取るDJ。スペシャリストたちがそれぞれの持ち場で全力を尽くしてくれているからこそ、KEMO CLUBという空間が成り立っているのだと、身をもって理解しました。

「手伝ってもらえて、分業できることは本当に幸せだ」

この時感じた感謝とリスペクトが、その後のKEMO CLUBのチーム運営の土台になっています。

ただまぁ、今でもソロでやることは多いです。自分が詳しく言語化できていないオペレーションや、明らかに人の判断基準で大きく運用が変わってしまうものは人に任せないようにしています。運営としては、相手を信じることから始まることは承知しつつも、自分自身が相手から信用されるだけの材料を持っているかというのも考慮しなければなりません。

物理的に距離が離れているなかで行うオンラインでのイベントは、お金があればスタジオと回線を借りて運用したいものです。純粋にラグが大きいだけだと、インフラの問題なのか、ハードの問題なのか、起動しているソフトの問題なのかも把握するにはオペレーターの人にもかなりの技術を要します。こういう運営こそ、本当は現実で人を集めて運用したほうが効率よく安定するんだろうなと感じています。

何より、ネットワーク、CPUやGPUの話、利用しているソフトウェア構成、ネット回線の種類・ハードのアレコレ、Unityのトラブルシュート、Unityで利用しているサードパーティーのコンポーネントのこと...これらをくまなく一人ひとりすべて掌握して、トラブルが起きるたびに的確に指示を出すなんて、そんなの知らないよ、よしなにやってよと怒りたくもなります。

自分が掌握できていない時は人に任せない。僕だって人間だから、うまくいかない時は当然のように怒りを感じる。だけど人の感情は有限である。感情を振りかざせばその有限の感情を大きく短期間に変化させてしまう。だから人に任せないところは任せない。相手に任せるにも自分の自信が必要であることも、対照的に理解する必要があるから。

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